
会員の皆様におかれましては、時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、第79回長野県農村医学会総会を2023年7月8日(土)に安曇野スイス村サンモリッツにおいて開催することになりました。今回のメインテーマは『質の高い医療の提供と地域社会への貢献』です。プログラムは一般演題発表のほかに、信州大学医学部運動機能学教室 天正惠治准教授による特別招待講演を予定しております。
少子高齢化が叫ばれて久しいですが、「少子化」とは出生率が低くなり、人口に対する年少人口(0?14歳の子ども)の割合が少なくなることで、「高齢化」とは高齢者人口(65歳以上の人々)の割合が7%以上になることであるのは周知のことと思います。さらに、高齢化率が14%以上の社会を高齢社会、21%以上を超高齢社会と呼びます。日本は2021年には28.8%となり、日本の高齢化率は既に2060年度の世界平均推計値を超えており、ハイスピードで高齢者の人口が増加しているのです。
農村においても高齢化の波は早くから押し寄せており、若い人の農業離れによる跡継ぎ不在も大きな問題になっています。
もし医療によって健康寿命を10年延ばすことができれば65歳~74歳の前期高齢者が現役でバリバリ働けるようになり、労働人口減少による経済成長の低迷や社会保険料を含めた公費(税金)の負担増に歯止めをかけることができるのではないでしょうか。農村において、体を酷使したことにより壊れた心身の機能を回復させる、健診による早期発見・早期治療によって重大な病気を完治させる、老化で聞こえにくい耳も見えにくい目も回復させる、加齢に伴って低下した心身の機能低下を回復させる、そんな医療が提供できたらどんなに素晴らしいことでしょう。そのために私たちは機会をとらえて、講演で最新の情報を学び、発表によって自身の医療活動を検証し、常に最高の医療サービスを地域の人々に提供できるように努力し続ける必要があります。本総会がそのような会員の皆様の要望にお応えできるような学会でありたいと思っています。当日はどうぞよろしくお願い致します。