WOCNブログ

難しいけど大切なこと

 ゴールデンウィーク明けの週末に、老年泌尿器学会へ参加しました。

神経内科医である榊原先生の「認知症患者さんの排尿排便障害:病気と検査」が、
大変勉強になったのですが、内容は少し難しく復習の必要性を感じました。
パワーポイントの資料をいただけたので、よく読み込みたいと思います。
講演内容は、「認知症について」「認知症患者さんの膀胱機能障害」
「認知症患者さんの胃腸障害」の3つでした。

認知症は主に、アルツハイマー病とレビー小体型認知症があり、前者は、意欲低下、妄想幻覚などの症状があり、後者は、パーキンソン、大人の寝言、便秘、頻尿などの症状が現れます。しかし、いずれもゆっくりと進行する病気です。

*ゆるキャラの「家康くん」。良く見るとはかまが鍵盤で、マゲがうなぎのようです。

膀胱機能障害については、認知症が進行すると機能性失禁が必発することや、
過活動膀胱に伴う失禁などの説明がありました。
過活動膀胱は、最近CMでも見かけるようになってきましたが、
尿意切迫感を必須としており、夜間頻尿を伴うものです。
機能性尿失禁とは、身体機能に障害がありトイレまで歩行しても間に合わないとか、
下着やリハビリパンツが下ろせないといったこと、認知機能が低下し尿意を訴えることができない場合や、コミュニケーションが上手くとれずに、失敗してしまうことなどが挙げられます。

胃腸障害については、認知症が軽くても高度の便秘やイレウス(腸閉塞)をきたす場合があり、これを神経因性排便障害といい、大腸での輸送が遅くなる輸送遅延型と、
直腸肛門での蓄便・排便の問題で便秘や便失禁が発生する直腸肛門型があり、同時に見られるとのことでした。
「認知症状に伴う排泄障害に対して、積極的な加療が望まれる」と資料にもありましたが、医師の加療が速やかにできるように、正しい知識と観察力を身に着けることが大切ですね。

*ホテルの部屋から見えた「浜松城」。「出世城」とも言われているそうです。

いつもありがとうございます。   WOCN ふりはた
安部先生の公開講座まで、あと49日!
 

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