白馬診療所にて
研修医の山田です。白馬診療所で2ヶ月間研修させていただいた報告です。
この間診療所では、自分の外来を与えられ、毎日それに専従する形で、濃密な時間を過ごしました。担当させていただいた延べ患者数を確認すると500名を超えていました。初期研修の最後にふさわしく実践的で、且つ刺激的な内容でした。
外来の例をいくつか挙げると、
・続処方を必要とする患者さんの対応が一つ。
・健診目的、および健診異常の患者さんの対応が一つ。
・ワクチン接種や発熱外来での対応が一つ。
・当直業務と同じように急患の対応が一つ。
精査が必要な方は他院紹介としますが、軽症者には診療所での加療を続けられる点が、当直との違いです。治療方針について迷ったときには、合間に上の先生方に相談させていただくことも多々ありましたが、患者さん本人の意思を確認しつつ、自分の知識に応じた裁量をする余地もあり、生の臨床のスリルを感じました。
その他、検査を目的とした救急車の受け入れも度々ありました。
印象に残っていることは、海外からのスキー・スノーボード客の多さです。伺ったところでは、街がコロナ禍以前の活気を取り戻しつつあるそうで、短期留学さながらに、この期間ほど英語を話す必要に迫られた日々はありませんでした。ただ、診療場面では文脈が明確であり、型通りのやり取りとなるため、片言でも大概は何とかなってしまいます。受験英語+αが思わぬ場所で役に立ち、国籍も人種も異なる人々の援助ができることには、ちょっとした感動を覚えました。言語の壁を感じるほどかえって歩み寄りの心が働き、大抵は場も和やかでした。悪戦苦闘の末に使える定型表現が徐々に増えていくのも、日々の励みになりました。それに音声入力、自動翻訳といった文明の利器の恩恵にあずかる場面もあり、時代の進歩を肌で感じました(医療翻訳に関しては100%正確さには欠けることもありますが)。冬の白馬は、英会話と外傷の経験をさせていただくには、特に適した環境でした。(くれぐれも怪我には気を付けてウインタースポーツをお楽しみください)
最後になりますが、この研修中には多くの皆様のお世話になりました。この場をお借りして深謝を申し上げます。
診療所から激写された電車。目と鼻の先を走っています。