精神科ブログ

2017年6月実習

実習感想文             2017/6/5~2017/6/17

                                      朝香隆明

北アルプス医療センターあづみ病院にて2週間、精神科/地域医療について実習させて頂きました。普段実習を行っている大学病院には病棟は存在しないため、今回のように病棟への鍵を自分で管理し実習を行うことがとても新鮮に感じました。また、予診という形で患者へのファーストタッチをやらせて頂いたことが最大の良い経験となりました。

予診を任せられた当初は、一般的に行う問診と変わりはないだろうと勝手に信じ込んでいましたが、実際に行ってみると質問する際の言葉の選び方、表情変化の観察、話し方、呼吸の仕方すら留意する点があるのだと気付かされました。では、なぜそのような点が一般的な問診と異なっているのかを考えてみたところ、やはり予診からすでに治療を始めているという考えが精神科ではとても重視されていたからでした。CTMRIなどの具体的な疾患部位を指し示す手段が少ない精神科にとって、会話という手段がどれだけ重要なのかいつも意識しながら予診を取るようにしていました。この姿勢は、精神科に関わらずどの科においても重要なことであるが、忘れがちであった自分にとって重要性を再認識できるいい機会となりました。また、教科書に載っている「連合弛緩」「妄想知覚」「妄想着想」などについての違いや意味を、身を以て経験することが出来ました。

白馬診療所では、診療所と地元の方々との信頼関係、地域医療としての役割、他の医療機関との連携について学ぶことができました。その地域で医師は自分だけという状況で、多くの患者の診察を行う姿には憧れを感じました。

最後になりましたが、手厚くご指導してくださった精神科の先生方、北アルプス医療センターあづみ病院のスタッフの皆様、白馬診療所の下里先生、快く予診を取らせて下さった方々に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。