精神科ブログ

慈恵医大の学生さんが見学にみえました。

慈恵医科大学の4年生の学生さんが3人ほど院外実習にみえました。
精神科には1日だけの見学でしたが、朝のカンファレンスから参加して頂きました。

私も学生時代は特権を利用してあちこちの病院や診療所などを見学させて頂きました。
学生や研修医のときのこと、特に自分が選ばなかった科の経験は印象深く覚えているものです。
現時点で精神科に特に興味があるわけではないようですが、これも縁ですので何かを感じとって帰っていただければと思います。
週末は白馬でスキーをして帰るとのことです。
地元にたっぷりお金をおとしてかえってくださいね。
(樋端)

精神科ブログ

認知症介護者家族の想いを知り家族支援を考える

 認知症疾患医療センターの関係者研修が創造生活環境の八田桂子先生を講師にお招きして開催されました。
院内や近隣の事業所などから支援者を中心に多数の参加がありました。
八田先生は自ら介護者でもあった経験を活かしケアマネージャーとして、またグループホームの運営をされるなどご活躍されています。
家族として専門職として、さまざまなジレンマを経験されたそうです。

家族もまた、とまどい・否定→混乱、怒り、拒絶→あきらめ、割り切り→受容とプロセスを経て介護に前向きになります。
家族に対しては一人で抱え込まないことを、専門職に関しては本人の暮らしをささえている家族を支えなければそもそも本人の暮らしが成り立たないのだから家族のアセスメントをすることが大切と強調されていました。

精神科ブログ

自殺予防のために職場ができること

 大北医師会の第2回自殺対策事業講演会が松川村すずの音ホールで開催され、大北一円から開業の先生方、病院スタッフ、行政の方などの参加がありました。
前回はセイコーエプソンの統括産業医の小木曽先生の講演でしたが、今回はスウェーデンへの留学経験もある信州大学精神科のエース、杉山暢宏先生をお招きしました。

「自殺予防のために職場ができること」というタイトルでしたが、留学先のスウェーデンの写真や文化、体験の紹介とともに第一線の医師ができることを分かりやすく解説していただきました。

うつ病と自殺の関係に関しては諸説あり、その研究のため自殺ケースの心理的剖検などがおこなわれてきましたが、これは遺族にとっても辛いことで容易ではなかったようです。
しかし大学病院にも救命救急センターが整備されドクターヘリも配置されたこともあり救命ケースも増えて来ました。最近では自殺既遂のケースの心理的剖検に変わり、深刻な自殺企図例の奇跡的救命ケースの検討がおこなわれるようになってきているとのことでした。
また、豊富な文献紹介での世界の標準治療を示し、症例提示でうつ病の薬物療法、精神療法、特に初診時のポイントを示してくださいました。
きちんと診断し標準的治療、ガイドラインには従った上で困難症例にどう悩みながら立ち向かうかが精神科医の仕事ともおっしゃっていました。
うつ病治療の処方箋は長くても3行(抗うつ薬1種類、抗不安薬1種類、睡眠薬1種類)
単剤でシンプルな処方の美しさにもこだわっていらっしゃいるようです。
精神科ブログ

精神科研修

心臓血管外科医を目指す川合先生が佐久総合病院から研修に来てくれました。

 
「初期研修医において精神科研修というのは、“精神科”という言葉に対する抵抗をなくすことだと思います。
今までは総合外来あるいは救急外来を受診される患者さんの診察にあたり、精神科への通院歴があるというだけで、どうしても知らず知らずのうちに構えてしまうところがありました。
実際診察してみるとその必要は全くなかったということも多々ありますが、やはり抵抗感をぬぐいきれないのが現状でした。
しかし今回、この症例の豊富な安曇総合病院での研修は、その抵抗感を減らす良いきっかけとなりました。今後も、精神科通院歴のある患者さんの診察に当たることがあると思いますが、今回の経験を活かし、構えることなく向きあっていきたいと思います。
また、一般病棟でのせん妄や不眠は一般病棟で遭遇する頻度の多いプロブレムです。今回は実際にリエゾンを経験することはできませんでしたが、せん妄、不眠への対応を専門医の視点から教えていただいきました。
どの分野にいても病棟業務において必ず遭遇するプロブレムで、入院期間あるいは治療効果ひいては患者さんのQOLに関わる重要なプロブレムですので、今回のことを大いに活かしていければよいと思います。
最後になりましたが、個性豊かなスタッフに恵まれ、大変活気のある精神科で研修させていただき、安曇に行って本当に良かったなと思いました。
3日間という短い間でしたが、ご指導いただき本当にありがとうございました。 」
佐久総合病院 初期研修医  川合 雄二郎

精神科ブログ

安曇総合病院での精神科研修を終えて

北信病院から1ヶ月間、研修にきてくれた初期研修医の仲村先生です。
最終日にカンファレンスで発表してくれました。

感想をいただきました。
「語弊を恐れずに申し上げますと、「精神科通院中の患者さんを診た時に感じる『恐怖感』をなくしたい。」それが安曇総合病院で精神科研修を希望した理由でした。
研修中は村田先生をはじめ教育熱心な先生方と様々な患者さんを診ることができ、患者さんと精神科に対する偏見をなくすことができました。私は来年度から循環器内科として働くことになっており、内科で使える知識を重点的に教えていただいき、また精神病理学についても触れることができました。
相対的基盤に基づく精神医学に科学的基準を見出す難しさや、科学的基盤に基づく循環器内科との根本的な違いはとても興味深いものでした。 患者さんと間主観的に関わり理解し、時には身をけずる思いをしながら診療している精神科の先生方の姿は、今後の循環器内科医としての自分の診察にも活かせる点が多くあると感じました。
一か月という短い期間ではありましたが、とても有意義な研修ができました。ありがとうございました。」
 
2013年 2月1日 仲村 太一
 
精神科ブログ

信州精神医療交流会

平成25年2月23日にヴィレッジ安曇野で恒例の信州精神医療交流会が開催されました。
今回は元信州大学の助教授、現在は「いのちの森クリニック」でさまざまな相談にのっておられる巽信夫先生がスピーカーでした。

(大先輩の巽先生と金松先生のお二人)
社会、家族、当事者の機能不全。
生命の醸成する場の大切さ。その土壌をつくること。
バーチャルな世界から自然の中の生き物としての人間にもどることの必要性。
そして精神医療の根底を流れる「全人性」の視点が強調されていました。
ベテラン精神科医が、どういう境地に到達していくのかがかいま見られました。