「第52回農村医学夏期大学講座開催される」
去る7月27・28日に佐久総合病院 農村保健教育ホールで、夏期大学講座が開催されました。
佐久看専出身の私にとって、この夏期大学は学生時代から不定期ですが参加してきたので、とても馴染み深いものです。(あの頃は冷房施設もなく、暑さ対策は氷柱だったなー・・)
県内外から約800名もの受講者があったようです。
今回は2日目のみ参加しました。
厚生労働省大臣官房審議官の唐澤氏による「2025年 高齢社会を見据えた地域の医療・福祉」では、課題とされている2025年に対し、医療を支える立場としてはどう現実を捉え、進むべき方向を定めていくか、莫大なデータを基に考え方を示されました。
福島県から農民連会長の亀田さんによる「かならずよみがえる この地で」 ~生き抜くぞ!原発事故下の農家は今~
放射能汚染のため、農地があっても作物を作ることのできない生産者のつらさを画像と共に伝えてくださいました。時間は確実に過ぎていくけれど、問題解決への道筋は一向に見えてきません。継続した支援体制が必要だと痛感しました。
元双葉厚生病院勤務で災害支援ナース松崎さんの「東日本大震災をふり返る」
昨年の地震発生時、海から約2キロ、福島原発から約3.7キロの位置にある双葉厚生病院で勤務されていたそうです。繰り返す揺れの中、患者さんをいかに安全に避難させることができるか心を砕き、搬送されてくる患者さんの受け入れを行ない、そんな中、1号機の爆発時、爆風を受け「もう帰れない」と覚悟をしたと聞きました。
医療従事者であっても自分の家族生活があり、心ならずも現場を去った人。目の前で状態が悪化していく患者さんの見ていることしかできないもどかしさ、無力感でバーンアウトした人。それぞれの立場で心休まることは無く、互いに相手を責める気持ちにはならなかったようです。
私たちには想像もできないつらい体験をしてこられた松崎さんの話には、多くの受講者が涙していました。普段からの職員間のコミュニケーションの大切さ、信頼関係の大切さを強く印象付けられました。
いつ身近に起こるかもしれない災害時、自分たちならどう行動するか、何ができるか常に考えて行きたいと思います。
太田