精神科ブログ

自殺予防のためのアルコール・薬物問題の理解と援助

当院の古屋昌宏医師が、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦先生の講演を聞きに行った内容の伝達講習会がありました。
院内だけではなく地域の保健医療福祉の関係スタッフも含めての勉強会としたところ大勢の参加者がありました。
講演の録音を聞き込み、ギャグやネタ、口調まで松本先生になりきった古屋医師は大ウケでした。
(古屋先生、最高です。診察室でも松本先生モードになってしまっていたそうです。)
3時間の講演を1時間にまとめたため、かなりの早口でしたがやはり一時間では終わりませんでした。

今回は自殺予防、特に「うつとアルコール依存症」がメインの内容でした。

うつ病はアルコール依存症のリスクであり、アルコール依存症は自殺を促します。
眠れなかったり悩みがあるときに飲酒してしまうと、さまざまな悪循環が生まれます。
そして希死念慮が浮かんだ瞬間に自殺を既遂してしまうそうです。
アルコールの問題は常に意識して置かなければいけません。

その他に

「死にたい」には傾聴を~マイ人生哲学はいらない~
「死んではいけない」はいけない。
「死なない」約束をむすぶ。(次回の面接予約とセットで)
「底付きとは援助の中で体験するもの」
「支援資源に確実につなぐ」
「自傷しないことよりも援助関係が続くことが大事」
「問題の解決を援助する」
「距離をとれ」ではなく「チームを組め!」

などなどのわかりやすいキーフレーズでたくさんの気づきがありました。
皆がゲートキーパーとなり地域にさまざまなサポート体制とネットワークを作っていかなければいけませんね。
 

(樋端Dr)