管理部
病院の事務部門というと、「診察券と保険証を出して会計をするところ」というイメージが強いかと思います。この部門は医事課と言って病院事務部門の半分くらいのボリュームがあり、外来担当の職員は馴染みがあるかと思いますが、入院担当の職員はその奥で保険点数(医療費)の計算にコンピュータとにらめっこの仕事をしています。保険点数は2年に1回の改定があり、改定ごとに制度は複雑化していますので、常に新しい情報を求め、受け入れることが求められます。
残りの半分は、普段患者さんの目に触れることはなく「縁の下の力持ち」といった部門です。どこの会社でもある「総務課」と、600名を超える職員の人事管理を行う「人事課」がひとつになった総務人事課、薬や医療材料の購入を行う業務課、施設の管理を担当している施設課などは比較的想像がつきやすいかと思いますが、病院の経営戦略を立案する企画管理課、医療の質向上に事務サイドから情報提供する診療情報管理課、地域の医療機関や介護福祉事業者との橋渡しをする地域医療連携課などは近年その重要性が高まっている割には世間の認知度はあまり高くありません。また電子カルテの導入に伴いその管理を行う医療情報管理課も新しい部署の一つです。
「医療は究極の成長産業」などと言われますが、それ以上に現在の病院は最新の科学の知見が集積されたアート(総合芸術)そのものとなってきています。管理部に求められる分野は経営学、財政学、法学、商学、統計学、語学、マーケティング、広報、リスク管理、ITなど多岐に渡っています。医療職ではなくとも、管理部の職員それぞれが自分の専門知識を活かすことで組織に、そして社会に貢献できればと考えています。今後もよろしくお願いいたします。