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手術室と褥瘡対策

 一般的に褥瘡といえば、寝たきりで高齢の患者さんか、がんのターミナルステージの患者さんというイメージを持つと思います。

しかし、実際は歩行ができる患者さんや、年齢の若い患者さん(時には小児)も褥瘡になってしまう場合があり、手術中も予防対策が必要です。
患者さんは裸の状態であり、身体は動かせません。
体位は仰向けだけではなく、うつ伏せや横向き、座ったような状態など特殊な体位を取ることの方が多く、時には手術台ごと身体が斜めになったり、頭側が下になったりすることもあるのです。
どのような体位を取るかは事前に分かっているので、圧やズレが発生する部位に予防対策を取っており、手術室の看護師に全面的に頼っていました。
「気になっているけど相談がないと介入し難い。。。」認定看護師に共通する悩みです。
手術室での体位の取り方については、説明を聞いて何となくイメージは沸くのですが、やはり実際を見てみないと気が付かないこともあると思い、手術に何度か立ち合わせてもらいました。
立ち合わせてもらったことで分かったことや、
全身の体圧が測定できる器械を使用して集めたデータを基に、
医師や手術室、病棟看護師との連携で、よりよい褥瘡対策ができるはず!
簡単にはいかないと思いますが、皆が納得した対策を取れるようにしたいと考えています。
手術中の褥瘡対策。。。
全力で取り組みます。
 
*新病棟4Fから見た北アルプス
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科学的スキンケア

先月下旬に視聴した安部先生の講義に大満足したので、視聴できなかった方のために、
ポイントのポイントをお知らせします。
スキンケアって簡単に言いますが、看護師は「科学的スキンケア」を
行いたいものです。
「皮膚疾患をふまえた科学的スキンケア」
内容は、1.スキンケアとは2.皮膚の構造3.皮膚の変化と疾患4.皮膚と真菌症
5.皮膚の治療薬6.皮膚の正常を保つために でした。
どれも大切で覚えて欲しいのですが、ポイントをひとつだけ挙げるとしたら、
私は皮膚の生理機能を推します。
「皮膚の生理機能は、バリア・保護機能や体温調整、知覚、分泌・排泄、
コレステロール・ビタミンD3合成、サイトカイン、呼吸、吸収作用がある」
「高齢者の皮膚の特徴として、表皮の菲薄化と表皮突起の平坦化、真皮乳頭層の毛細血管係蹄の消失が見られ、皮膚分泌の減少、セラミドや天然保湿因子の減少が起こりバリア機能が低下する」
「真皮の老化は、生理的老化と光老化の2つのメカニズムが存在することで引き起こされる」
「皮膚におけるバリアには、物理的バリア・科学的バリア・免疫学的バリアがある」
「スキンケアにはドライスキンのケアと湿潤創面へのスキンケアがある」
患者さんの皮膚を守るケアを実践するためには、生理機能の正しい理解が必要です。
清潔や排泄ケア時に使用する、洗浄剤や保湿剤などを購入していただく時や、
退院後のケア方法について、患者さんやご家族にきちんと説明するために、
必要な知識のひとつなのです。
もちろん、患者さんだけでなく自分の美肌(?!)を保つためにも。。。
 
 
*函館の八幡坂。夜は幻想的ですね。
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謹賀新年

2016年が始まりました。
今年当院は、電子カルテのバージョンアップ、新病棟への引越し、病院機能評価受審などのイベントを控えています。
タイミング良く(!?)診療報酬改訂もあるため、私としては専門領域の情報収集も欠かせない状態です。
大変そうに見えるかもしれませんが、色々なことを見直し、より良い方法を検討するチャンスでもあるので、これを最大限に活かそうと昨年から準備を進めています。
せっかくのチャンスだから、活かさないともったいないですよね!

苦労が実を結び、良い年だったと思えるような活動をしますので、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


*災難を代りに受けてくれ、願いを託し叶えてくれるというお守りの「身代わり申」です。
申年の今年は身に付けていようかな。

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あなたの声が聞きたくて。。。

今年最後の学びは、e-ラーニングによる「皮膚疾患をふまえた科学的スキンケア」で、
安部先生が講師でした。
あえて視聴期間の最終日に視聴し、(理由はヒミツ)
いつも通り期待以上だった内容に「やっぱり最後にとっておいて良かったなぁ」と
思っているところです。
内容については、次回以降に投稿しますね。
自己研鑽のために、関連学会や各種セミナーに参加する機会も多いのですが、
「タイトルと内容が違う」とか「期待していたのに。。。」と少しがっかりしてしまうことも時にはあります。(自分のことを棚に上げてスミマセン)
先日、院内発生の褥瘡患者さんがいる病棟の看護師に、「気をつけていたのにショックです。」
「対策も取っていたのに悔しいです。」と言われました。
スタッフにそんな感情を抱かせてしまったことを申し訳なく思い、
何が不足していたのか考えられることを伝えました。
スタッフの中には、色々な感情を表出できる人がいますが、中にはできない人もいます。
ラウンド中に本音を聞かせてもらえると、参考になることが多いので、
できれば色々な想いを聞かせて欲しいと、いつも想っています。
私の使用している電子カルテの上には、
「あなたの声が聞きたくて お耳が こんなになりました」と書かれた、
かわいいウサギのイラストを飾ってあります。
認定看護師として大切にしたい気持ちなのです。
 
*新病棟7Fから見た北アルプス
今年もあと3日。
よい年をお迎え下さい。
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ふりはた版今年の漢字

今年の漢字は「安」でしたね。
安といえば、安曇総合病院の「安」。。。
4月に名称変更したばかりですが、懐かしく感じられます。
私が今年の漢字を選ぶとしたら、「挑」か「夢」ですが、
どちらかといえば「挑」かな?
考えたら、認定の受験をしようと決めた時からずっと、挑むことの連続でしたが、
今年は特に挑むことが多かったように思います。
印象に残っていることを挙げるとしたら、精神科病棟でのおむつ製品変更と、
コンチネンスサポートチーム活動の開始、一般科病棟でのおむつ定額性の導入、
褥瘡管理対策研修を、地域住民のための健康公開講座と合同開催にしたことでしょうか。
ただしこれらのことは、「開始出来て良かった。」で終わることではなく、
来年以降も継続し、発展させることの方が大切で、困難なことだと考えています。
協力してくれるスタッフやメンバーと一緒に、より良い方向へ進んで行きたいですね。
みなさんにとって、今年の漢字って何になるでしょうか?
 
 
*10月に行った函館の写真です。
タクシー運転手さんの趣味が写真とのことで、色々な場所で写真を撮ることが出来ました。
たまたま乗ったタクシーの運転手さんが、観光案内以上のことをして下さったおかげで、
思い出に残る旅となりました。
仕事の範囲を超えたサービス。。。
「担当してもらって良かった。」と思われるようになりたいですね。
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人にやさしいポジショニングっていいね!

 12月上旬、飯田市訪問看護ステーションの近藤先生をお招きし、

「人にやさしいポジショニングって、なーあに?」
-人の身体の構造から考えるポジショニング-と題して褥瘡管理対策研修を行いました。
地域住民のための健康公開講座と合同開催のため、介護保険施設やケアマネジャー、
地域包括などにも案内を出し、大勢の方々にご参加をいただいたので大変嬉しく思っています。ありがとうございました。
 
前半の講義では、人の身体を顔・胴体・右腕・左腕・骨盤・右足・左足の、
7つの塊に分けて考え、それぞれの繋がりや位置関係の姿勢を評価すること。
骨盤を中心に体軸を整え、ゆがみを直すことが大切であること。
身体の骨格に沿うように広く支え、クッションに重さをかけることなどを分かり易く教えていただきました。
ゆがみを直さずにクッションを入れ込むと、患者さんや利用者さんに苦痛を与えることになるため要注意!
ポジショニングの効果は褥瘡対策だけでなく、呼吸や循環機能の改善や、
嚥下機能も助けるのです。
すごいですよね~。
更に、拘縮の予防や改善によって、排泄ケアや更衣が安楽になるため、
スタッフや介護者、患者さんや利用者さん双方にとって、良いことずくめなのです。
 
*写真の掲載については、先生の許可を取ってあります。
後半の実技では仰臥位と半側臥位を行い、グローブを使用して重さの確認も行いました。
後ろの席の方にも見えるようにカメラで投影しましたが、「カメラを活用して見やすくて良かった。」と好評でした。
参加者の真剣な眼差しや、「良い研修をありがとうございました。」といった意見があり、
研修を企画して本当に良かったと安堵しましたが、
長野の合言葉「手抜きはせずに、背抜き・尻抜き・踵抜き」を遅ればせながら、
当院や地域でも流行らせたいという気持ちが強くなりました。
 
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MDRPUとスキン-テア

 11月下旬、医療機器関連圧迫創傷(medical device-related pressure ulcer:MDRPU)やスキン-テアに関するセミナーに参加しました。

医療機器関連圧迫創傷。。。
聞きなれない用語かもしれませんが、褥瘡学会では平成23年から予防について、
スキン-テアは、WOC学会で平成25年から予防と管理に取り組んでいます。
医療機器関連圧迫創傷は、治療目的で使用した医療用ストッキングや、ギプス・シーネ、
酸素マスクなどの装着が原因で発生します。
治療に必要なことなので中止することも難しく、発生部位を注意深く観察すること、
医療機器についての正しい知識を持つことなどが大切!
テアは学会から予防管理についてのベストプラクティスが発売されました。
(是非読んで下さい)
先日看護補助者さんへ学習会を行いましたが、スキン-テアについても少し盛り込ませてもらいました。
テアが起きやすい皮膚状態は、菲薄(ひはく)・浮腫・皮下出血・ドライスキン。
当院の入院患者さんは高齢者が多いので、多くの患者さんが当てはまります。
転倒・転落や、ベッド柵にぶつけた、入浴や清拭時、車椅子移動介助の摩擦・ずれ、などが原因で起こるため、補助者さんにも注意して頂く必要があるのです。
テアは院内だけでなく、在宅や施設でも発生するため啓発活動も大切ですね。
先日の公開講座の資料を地域へ送付する時に、「テアの資料もつけちゃえ」と
密かに計画中です。(投稿したので、密かではないか!?)
 
 
*学会から送られてきたポスターを事務所の棚に貼っています。
セミナーの質疑応答で、「WOCに踵(かかと)の潰瘍を見てもらったら、褥瘡でないと言われました。」といった質問がありました。
私も、踵に限らず褥瘡ではない皮膚トラブルについて、
「これは褥瘡ではなくて〇〇だね。」と伝えることがあります。
アセスメント内容を伝えてはいますが、理解できなかったスタッフは同じような印象を持つかもしれないと感じました。
「分かり易く短い言葉で伝えること」って難しいですね。
よい勉強になりました。
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*前回の投稿から時間が掛かってしまいました。投稿したいことはたくさんあるので、今月は頑張って投稿しますよ。
 
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健康公開講座のお知らせ

 12月3日(木)18時~外来棟1Fホールにて、褥瘡管理対策研修会を開催いたします。

「人にやさしいポジショニングってなーあに?」
―人の身体の構造から考えるポジショニングーと題して、ポジショニングの基礎について、
飯田市立病院理学療法士の近藤先生に講師をお願いしました。
先生は、褥瘡学会認定の「褥瘡認定師」の資格もお持ちで、学会やセミナーなどで
よくご講演をされていらっしゃいます。

私が昨年、ポジショニングセミナーを受講した時に、
「来年、当院でご講演をお願いできないでしょうか?」と伺ったところ、
快諾していただき今回の運びとなりました。
(参加前からお願いしよう!と決めていたのですが。。。)

職員以外にも地域住民の方やケアマネジャー、介護保険施設に勤務する方や、訪問看護師の皆さんにも案内をさせていただいています。
師走の忙しい時期ですが、ポジショニングについて理解を深めて頂き、
自力で体位変換が出来ない患者さんや利用者さんが、少しでも快適に過ごせる日が来ることを願っています。


*写真は、秋田の居酒屋さんから持ち帰った割り箸の箸袋。
色々な地方の方言で「ありがとう」が書いてあります。
個人的には、「だんだん」がやさしい響きで好きですね。

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I love EVERYONE!

新病棟への引越しも無事に終わり、やっと新しい病棟にも慣れてきました。
私が在席している事務所からは少し遠くなったので、下肢筋力Upに貢献してくれています。
電子カルテも新しくなったため、褥瘡管理がとても便利になりました。
長年考えていたことが形となり嬉しい半面、
有効に使わなければ。。。と考えているところです。
褥瘡対策チームは医師と看護師で構成されますが、委員会のメンバーには、
薬剤師、リハビリスタッフ、栄養士、検査技師、事務が存在します。
看護補助者にも、エアマットなどの準備やベッドメイク、清潔ケアの手伝いなどをしてもらっているのでとても大切な存在です。
以前SEに、「褥瘡対策とはあまり関係がない。」というようなことを言われたことがありますが、写真の取り込みをお願いしているので、重要な役割を担ってもらっていると私は思っています。
今回のバージョンアップに関しても活躍してもらいました。
褥瘡対策には多くの職種の関わりが必要で、それぞれの役割を理解し尊重することが大切。
3年以上Love Callを送っているMEさんにはまだ片思いですが、
いつか実るといいな~。
 
 
 
チームビルディングや私が目標としていることが、現在何処まで進んでいるのか、
何処を目指しているのか、もっと分かり易く示す必要があり、
次年度の褥瘡対策は、今までと違った方法を取りたいと考えています。
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新年度が始まりました

申年になって、もう3ヶ月が過ぎてしまいました。。。
私にとっては、あっという間でしたね。
2月はフットケア学会やストーマ・排泄リハビリテーション学会、
3月はおむつメーカー主催のフォーラムや、長野県内のWOCNセミナー等に参加し
充実していたので、投稿したいことはたくさんあるのに滞っていてすみません。
つい「のに」って使ってしまいますが、「~したのに。。。」っていうと
愚痴っぽいし、後悔しているみたいで良くない感じ。
特に「あんなに~したのに○○○だった。」っていう時が最悪!!!
期待し過ぎた時、多くを求めて過ぎた時、
自分の思うようにならなかった時、結果にがっかりした時。。。。
そんな時に出てしまうのかな。
まだまだ、精神修行が足りませんね。
「のに」もMy NG集に登録決定です!
 
最近のことは分かりませんが、当地では1ヶ月遅れでお祝いをします。
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新人研修終了

毎年、新人看護師に対し研修を行っています。
今年も20名の新人看護師へ「スキンケアと褥瘡ケアの基本」と題して、60分間の講義と、
15分間の演習を行いました。
今回は「医療関連機器圧迫創傷」と「スキン-テア」についても盛り込んだので、
ボリュームが多くなってしまい、新人は大変!?だったのかもしれません。
実は、毎年研修を通して新人の様子を観察することを、密かな楽しみとしています。
理由は、研修の時の印象と、その後の成長が一致していることが多いので。
そういう私のことも、しっかり評価されているはずなのでお相子です。
今年は、問いかけに対しての反応が鈍かったので、
「聞かれたことに対してきちんと返事をすること。」を初めて指導しました。
1対1だとできるのだと思いますが、集団になると「自分以外の誰かがやってくれる。。。」といった心理が働くのだと思います。
このようなことが無い様、自分ひとりでも出来るようになって欲しいと伝えました。
研修後のアンケートに複数の新人が、指導したことについて書いてくれていたので、
今後に期待したいところです。
私は新人の時に面接で「どういう看護をしたいか」問われた時に、
「自分の家族や大切な人だと思って看護をしたい。」と答えました。
その時の気持ちは今も変わりありません。
変わったのは、体重と。。。。
若いっていいなぁ~
気持ちだけは若いんですけどねえ。。。
 
*情熱の赤い薔薇、花びら1枚まで美しい。
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女性骨盤底外来

 先日、ローカル紙に外来開設について記事が掲載されました。

従来の火曜日と木曜日に加えて、金曜日に女性医師の外来日が設けられ、
「理学療法士も看護師も全員が女性の曜日があるので、お気軽に診察にお越し下さい。」といった内容です。
遠方からお見えになる患者さんは多く、手術も施行されていますが、
近隣の患者さんの受診数が少ないとのこと。
おそらく、どの診療科にかかればよいのか分からないとか、恥ずかしいとか
そういった理由なのではないかと思います。
骨盤底とは、直立歩行するために骨盤の底の部分に発達した筋肉群であると考えられ、
加齢や出産、肥満、慢性的な咳などが原因で筋肉が弱り、尿失禁や骨盤臓器脱を引き起こします。
弱った筋肉にアプローチをするのが骨盤底筋体操で、看護師や理学療法士が個別に指導を行い、自宅でも毎日実践して頂くことがポイント!
体操といっても体を動かすのではなく、膣や肛門を引き上げるようにする方法で、
太ももなど力を入れなくても良いところに力が入ってしまうことがあるため、できるようになるまでは有効に行えているかどうか評価をすることが大切なのです。
以前医師から「検死をした患者さんが、日本手ぬぐいで作ったベルトのような物を陰部に当てていたことがあった。あれは、骨盤臓器脱で困っていたのではないかと思う。」と聞いたことがあります。
生命の危機はなくても、他人に言えないような悩みを抱えて過ごすことがないように、
自分の身体を大切にして欲しいと願っています。
 
 
 
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失禁関連皮膚炎(IAD)

先月参加した学会では、パネルディスカッションやランチョンセミナー、IAD重症度評価ツール(案)の紹介など関連したセミナーに参加し、大変参考になる講演を聞くことが出来ました。
「発赤が認められた時には組織内部に、消化酵素・細菌が侵入している状態」
「微温湯だけの洗浄は皮膚バリヤ機能を損なう」
「失禁のある全患者には、IADのリスクがある。IADと褥瘡両方のリスクを低減するためには、一人ひとりに合わせた予防計画の実施が必要である。」など。。。
やはり大切なのは、予防的なスキンケアを徹底すること。
洗浄剤やおむつの製品選択も大切なので、当院では褥瘡やIAD予防に繋がると考えた製品を使用中です。
弱酸性の洗浄剤で丁寧にやさしく洗浄し、押し拭きをした後に、撥水と保湿効果のあるジェルを塗ることでIADは減少したと感じています。
使用前の有病率などのデータが取れなかったので、感覚的なことしか言えないのが残念ですが、減少したのは必要性を理解し、直ぐに取り入れてくれたスタッフのおかげですね。
それでも「0」ではないので、限りなく「0」に近づけるよう、何度でも同じことを繰り返し指導していこうと思っています。
そんなことを改めて決意できるような、有意義な学会でした。
 
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あの日。。。

 今月中旬金沢で開催された、創傷・オストミ―・失禁管理学会に参加しました。

今回は25回目という節目にあたります。
5年前の5月にも同じ金沢で学会があり、6月から始まる認定看護師の研修受講前に参加した、あの日のことを思い出していました。
5月だというのにとても暑く、会場の移動が大変だったこと。
新幹線は北陸まで延伸していなかったので、車を運転して金沢へ行ったこと。
初めて安部先生の講義を聞き、強烈な印象が残ったこと。
参加者の方々が皆、別世界の人に見えたことなど。
先生は今回の学会でも、参加者の心をわしづかみでした。
10分程度の講義でも、つかみが素晴らしいので「何を話してくれるのだろう?」
「聞き逃さないようにしよう!」といったワクワクした気持ちになります。
「参加者の心を掴んで離さない」なんて、誰にでもできることではありません。
5年前と変わりないこと、変わったことがありますが、
学会が30回を迎える時、私が理想とするWOCNに少しでも近づいているようにしたいですね。
あの日の気持ちを忘れずに。。。
 
*会期中に入ったコーヒーショップでもらった、当たり!?のレシート。
なんと、1/1500位の確立だそうです。
 店員さんが「初めて見ましたぁ~。」と私より感激していました。
次回は、失禁関連皮膚炎について投稿します。
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排尿ケアチーム学習会

 5月下旬に、山梨県のWOCNからお誘いを受け、山梨大学へ学習会に行ってきました。

今年度の診療報酬改定で「排尿自立指導料」が新設され、当院でも排尿ケアチームの設置に向けた準備を始めるところだったので、私としてはgood timing!!
谷口先生の講義を受けることができるなんて。。。
企画してくださった山梨県のWOCNのおかげですね。
軽い気持ちで参加しましたが、手引書作成に関わってくださった先生方のご尽力や、診療報酬に新設されるまでの活動をお聞きして身が引き締まる思いでした。
チームについては、泌尿器科医師から立ち上げたいという依頼があったので、設置することになり少しプレッシャーを感じていますが、決まったことなので「やるしかない」状態。
尿路感染予防にも繋がることなので、感染管理認定看護師とも連携していく予定です。
*「排尿自立指導料」とは、排尿に関するケアに係わる、専門的な知識を有した多職種からなるチームを設置し、医師、看護師等がチームと連携して、排尿自立の可能性及び下部尿路機能を評価し、排尿誘導等の保存療法、リハビリテーション、薬物療法等を組み合わせるなど、下部尿路機能の回復のための包括的なケアを実施することを評価するもの。
 
精神科病棟前に咲いている、紫陽花です。
いつもありがとうございます。 WOCN ふりはた