統括院長あいさつ

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の取り扱いが2類相当からインフルエンザと同じ5類に移行してから2年が経過します。ワクチンなどの予防対策が進み、世の中はほぼ元の状態に戻った感がありますが、ウイルス自体がなくなったわけではありません。当院では、高齢者や免疫力の低下した患者さんに対する安全面への配慮から入院中の面会制限を継続してまいりました。今年度はその解除ができるかどうか、慎重に検討していきたいと考えています。
さて、2014年から病院長と循環器病センター長を務めてこられた富田威先生が2025年3月末で退職されることになりました。4月から循環器病センターは麻生真一循環器内科部長をトップとする新体制へと移行します。大北地域で唯一の血管造影装置を備えた病院として、引き続き近隣住民の皆さんの心血管疾患の診療を担っていきたいと考えています。ただし、院内の諸事情により当面の間は休日・夜間の救急は他の施設にお願いしなくてはならない状況になるかもしれません。ご不便をおかけしますが、御理解と御協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。また、肩関節治療センターは前統括院長の畑幸彦先生に昨年からセンター長をお願いし、肩関節の手術からリハビリテーションまで幅広く対応していただいております。畑先生と一緒に肩関節の診療を担われてきた石垣範雄先生の異動に伴い空席になった副院長の後任は、消化器外科の本山博章先生にお引き受けいただきました。大北地域のがん診療を担う中核メンバーの一人として、ますますの活躍を期待しています。こころのホスピタル事業部の認知症疾患医療センターでは、初期アルツハイマー病の患者さんを対象に、病状の進行を止める効果が期待できる新薬を用いた治療を開始しました。高価な薬剤ではありますが、適応となる患者さんに対しては前向きに投与を検討してまいります。
当院を取り巻く状況は諸物価高騰などの影響で年々厳しさを増しています。住民の皆さんの健康を守る地域の中核病院として、歴代の統括院長が築き上げてきた既存のセンター機能による特色ある診療をアップデートしながら、将来的に需要増が見込まれる在宅診療や介護施設との連携などの分野への取り組みを強化し、大北医師会の先生方とのつながりをさらに緊密にして、この難局を乗り切っていきたいと考えています。今後も引き続き御支援、御協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2025年4月1日 北アルプス医療センターあづみ病院 統括院長 松田正之